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u-ta

櫻の葉が一片 堕ちて波紋を打った

鈴の音が遠くに消える

風が凪いで 残り香を攫っていく

月の光を太陽が奪う

虚無が幾つも転がっている

手に掬った砂は 隙間から流れ落ちていく

何も 掬えない

誰も 救われない

喪失感と諦念許りが巣食う

失ったものを取り戻せたなら

今残っているものを消去出来たなら

changeでなくdelete&reset

此処にあるものは全て使い古し

新しいものなど 此の輪廻の中で得られる筈も無い

誰もが同じ事を繰返す

その都度人は 非力さを識る

経験を積む程 弱く卑屈になる

騒めきが鎮まらない

こんなにも閑静としているのに

鼓動が首から耳元に込み上げてくるのが煩い

果物ナイフで首を刎ねよ

浴槽で溶けた血が黒く滲んでいく

その残り湯を飲み干しては嘔吐する

吐瀉物は時に紅く 時に黄色く 時に黒く 時に透明だ

いつかその口から肉塊を産むだろう

誰かと居る時は常に孤独で

独りの時は嘲る声で騒々しい

脳に直接轟く声は 鼓膜を破裂させるだろう

膨張した脳が 耳や鼻から垂れ流されればいい

あらゆる可能性の提示は 人を絶望へと誘う

自由という檻は ひとつ許される毎に枷を増やす

手を出す隙間さえ無くなって

軈て真っ暗な空間に 重い枷を幾つもぶら提げながら

忘れられ 一欠片ずつその身を喪い 朽ち果てるだろう

唯一となる事は易く

一位となるのは難い

別の個体である限り 繋がる為の鎖は生じ

同じ個体であるならば 反発し乖離してしまうだろう

御慕い申せば 貴方は遠く

彼方と為れば 憎悪さえ湧く

尊敬すれば敬遠し

見下せば奥深くに触れる

嗚呼

求めなければ

既に手に入っているというのに

固執しなければ

容易く触れられたのに

遥か遠く うたい続ける

届きますようにと 宛先も書かぬ儘に